日々と罅

東京にいるよ。

2020.06.21

日付が変わり、普段仲良くしている友達が誕生日であることを思い出した。LINEで「おめでとう」と送った。来週にでも一緒にケーキを食べようと約束をした。それから早く寝ようと思ったものの少しだけ、とYouTubeでなんとなく動画を観ていたら、たまたまスピッツのスパイダーのライブ映像が目に付いた。久しぶりに聴こうと思って動画を開くとマサムネさんの心地よい声がイヤホンを通して聴こえた。スピッツは何年経ってもいい意味で変わらないんだなあと思った。一ヶ月や二ヶ月で大きく変化するものはこの世にいくらでもあるのにスピッツは何年経ってもずっとスピッツなんだなあ。スピッツを聴いて、友達とのLINEのやり取りを何回かしているうちに眠れなくなってしまった。

 

私が初めて好きになったバンドはスピッツで、初めてライブを観たのもスピッツだった。私にとってスピッツは特別である。中学生の頃、私を好いてくれていた男の子からスピッツがすごくいいから聴いてみてと勧められた。私はその人の事が苦手だったが、その時からスピッツを毎日聴いた。確か去年その人から成人式の同窓会の誘いのラインが来たけどやはり冷たく返してしまった。中学以来会ってもいないし、多分今後も会うことはないと思う。初めてハマったバンドを二十歳になった今でも聴いている。

 

そう言えば、高校生の時、同じ吹奏楽部だった男の子たちが文化祭でスピッツのコピバンを披露していた。私はそれを見る事が出来なかったけど、実はすごく見たかったんだった。私の高校の友達はスピッツとかを好きな人が多かった気がする。今時のバンドというよりちょっと懐かしいバンドを好きな人が多かった。私も好きだった。

 

もうひとつ、高校生の時スピッツのライブにどうしても行きたすぎてファンクラブに入っていたこともあった。実際はライブの抽選の丁度少し後にファンクラブに加入したことになったから、ほぼファンクラブに入った意味はなかったのだが、スピッツの雑誌なんかは何冊か届いていた気がする。

 

スピッツを聴いて感動していたら寝れなくなってしまった。スピッツの色々な動画を開き、マサムネさんは何年経っても変わらないなあと思っていると、何故か今度はフジファブリックの動画が目に付いた。フジファブリックも高校生の頃、何曲かすごく聴いていた。私が好きになった頃にはもうボーカルの志村さんは亡くなっていた。こんな才能があって美しい人が亡くなってしまうのか。フジファブリックを聴く度に志村さんが生きていたら、なんて思う。どんなにフジファブリックを観たくても志村さんの歌うフジファブリックは絶対に観れないんだ。

 

今はキングヌーやら髭男やらあいみょんが流行っている。だけど私は間違いなくスピッツフジファブリックを聴いて大人になったんだ。